【卒業生紹介】「写真が一生の楽しみに」個展開催中の島村恵美さん

12月22日(日)まで、72galleryで写真展「長閑な理想を掲げて」を開催中の島村恵美さん。

島村さんの作品は、一見何気ない景色のように見える中に溶け込んだ猫の姿が印象的です。写真を撮るためにそこに配置したのでは?と思ってしまうほどユニークな猫たちを、来場者の皆さんも一枚一枚探しながら、じっくりと鑑賞していました。

島村さんはPHaT PHOTO写真教室の卒業生でもあります。

今回は、島村さんのクラスの担任をしていた72galleryディレクターの鈴木雄二さんと、ご自身の作品のこと、教室のことについて話しました。

開催中の写真展「長閑な理想を掲げて」の様子

写真教室で提出していた猫写真が「作品」に

ひととは少し違う、「猫」への視点が面白い島村さんの作品

鈴木:作品ができたきっかけは?

島村:もともとは普通の、かわいい猫を撮っていて。好きなように撮っていたら今の作品のようなパターンになっていきました。

鈴木:今回の展示では22枚展示していて、そのうちの3枚は写真教室の3年目、ハイパークラスの授業のときに提出してくれていた写真ですよね。

島村:そうですね。こういう、プールとかお墓に猫がいる写真を、すごくたくさん撮っていたんですよ。その場で猫を見つけたときに「寄って撮ろう」とかは思わなくて、その場所と猫が一体化させて作品にしていました。

「安全地帯」にいる猫を、よく目を凝らして見つけるのが楽しい

鈴木:当時からかなり面白かったけれど、そのときはまだ、シリーズとしてまとめられなくて。さらに作品としての要素を盛り込んで最終的な卒業制作にしましたよね。「安全地帯」がキーワードでしたね。

島村:そうです、そうです。プールとかお墓っていうのも、「安全地帯」というテーマから繋がってきているんです。

鈴木:人が入れないから、猫が油断して「素でいる」状況なんですよね。

島村:野良猫にはいろんな問題があって、虐待とか、いっぱいいるところに捨てに来ようという人もいて。そういう中で、猫好きとしては猫に幸せに生きてもらいたいという想いで、「人の手の届かないところにいる」というモチーフで作品を仕上げたんです。

プールもオフシーズンになると放置されて誰も掃除しないけれど、草が溜まったところとか、それがあったかいからそこにいるとか。居心地がいいんですよね、きっと。

鈴木:3年目(ハイパークラス)の途中まではそんなテーマも決まってなかったよね。とにかく今まで撮ってきた猫を並べて、その中で面白い要素をピックアップして。

写真の世界って広い。そう感じられる環境と空気感がよかった

教室には、いろんな人たちが集まる

鈴木:PHaT PHOTO写真教室に通う、いちばん最初のきっかけはなんだったんですか?

島村:写真は好きだったから、ちゃんと学びたいなと思って。最初はカメラの使い方もよくわからない状態で入校しました。

鈴木:教室はどうやって選んだんですか?

島村:一般的な「美しい写真」を教わって、それ以外はダメだって言われるのが嫌だったんです。でも、表現方法って今は何でもありじゃないですか。だから写真の基本的な技術は教えてもらいながら、でも「感性」を大事にして、表現として自由に評価してくれそうな部分が良かったんです。

鈴木:通っていた時の教室の思い出って何かありますか?

島村:まずはクラスの雰囲気がよかったこと。あとは他の生徒の写真がたくさん見られることもよかったです。それまでは自分の撮った写真を見てこれはいい、これはよくないと判断するしかなかった。客観的な、第三者の目線で判断することも、ひとりだとないじゃないですか。授業でみんなの写真を見ると、写真の世界って広いなって感じましたね。

鈴木:同じ宿題でも、提出される写真が全然違いますもんね。

島村:ビギナークラスの一年間は基礎的なことを、カリキュラムとして学べるからよかったです。本当に知らないでくるから基本的なことが知りたいじゃないですか。それにしては、写真やカメラにまつわるいろんな知識のある人がいましたけど(笑)

鈴木:いたね(笑)。でも、そういう人がいたほうがいいんですよ。初心者にとっては、少し引け目を感じることもあるけれど、1年を通してみたら、クラスのレベルを上げてくれる。

教室に通ったからこそ、「これからも写真を続けよう」と思えた

毎回の「宿題」が、今の写真作品の基礎となった

島村:いろんなことを教えてもらえますからね。自分ひとりで撮っていたら「好きで撮っているんです」で終わっちゃうんですけど、教室は毎月宿題があって。大変だったんですけど、人って追い詰められないとやらないですからね(笑)。でもそれって大事なんだなって思いましたね。PHaT PHOTO写真教室に通って、これからも写真を続けていこうと思えるようになりました。

鈴木:受講を迷っている方へ一言お願いします!

島村:迷っているなら通ってみたほうがいいです。行きたいという気持ちがあるから迷うわけじゃないですか。後であの時やっておけばよかったなと思うんだったらやる。それで、やったら絶対に楽しい。

写真の見方とかもわからないと思っていたけど、わかるようになったら楽しいですよね。写真家だって、最初は知らないんですけど、授業で学ぶうちに情報が引っかかってくるんです。その人の名前をどこかで見かけたら作品を見てみようと思うようになる。そうすると世界が広がっていきます。知らないことがわかると楽しい。一生の楽しみになると思います。

PHaT PHOTO写真教室での3年間を卒業した後も、写真を楽しんで撮り続けている島村さん。学びたい!と思ったことやさまざまなきっかけに、積極的にチャレンジしていらっしゃいます。

少しでも迷っている方はぜひご検討ください!

島村恵美 写真展「長閑な理想を掲げて」
日 程:2019年11月27日(水)-12月22日(日)
時 間:12:00−19:00(最終日17:00まで)
休館日:月曜日、火曜日
料 金:無料
会 場:TOKYO INSTITUTE OF PHOTOGRAPHY    72Gallery
住 所:東京都中央区京橋3−6−6 エクスアートビル1F 

2020年1月開講ビギナークラス

2020年1月開講Have a nice PHOTO!コース